【技能実習】ニュースの解説:トラック1台分のごみを海岸に投棄容疑 3人逮捕

2021/08/23

ニュース 運用要領 監理団体 実習実施者

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ニュースの概要

○2021年8月21日、香川県観音寺市の海岸に大量の家庭ゴミを不法投棄したとして、高松海上保安部坂出海上保安署は、ミャンマー国籍の技能実習生の男2人と同僚の日本人の男を廃棄物処理法違反容疑で逮捕した。
○ゴミの分別方法が理解できず、処分に困った技能実習生2人が職場の同僚の労働者に相談したところ、会社のトラックを借りて海に捨てたと説明している。
○捨てたゴミは、空き瓶や一斗缶、ペットボトル、古着などが入ったゴミ袋19袋(約72キロ) 。
○技能実習生2名は香川県三豊市に住んでいる。

まとめると、

香川県三豊市に住む技能実習生がゴミの処理に困り同僚の日本人に相談したところ、その同僚が会社のトラックを借りてくれて、ゴミを乗せて観音寺市の海岸に持って行って不法投棄したら捕まった

ということのようです。

解説

技能実習生のゴミのため込みも問題ですが、それよりも相談を受けた同僚の日本人の対応がありえない事案だと思います。

ここでは騒音に並んで近隣トラブルの上位を占めるゴミ問題について説明します。
この事案では

 ○ゴミ出しルールを身につけていない
 ○実習実施者が生活指導をしていない
 ○生活指導員に相談できない
 ○監理団体の毎月1回の訪問指導時に確認していない
 ○監理団体の3月に1回の監査時に指導していない

といった問題があります。

技能実習生がゴミ出しを学ぶ機会

入国後講習

「本邦での生活一般に関する知識」の時間に「ゴミの出し方」も教えなければならないことになっていますが、それ以外にも技能実習生が日本で生活を行うため
 ○必要な法律や規則
 ○社会生活上のルールやマナー
 ○自転車の乗り方等日本の交通ルール
 ○公共機関の利用方法
 ○国際電話の掛け方
 ○買い物の仕方
 ○銀行・郵便局の利用方法
 ○自然災害への備えなどの対処方法
 ○感染症の予防等

など技能実習生が日常生活に困らないよう、居住する地域のルールや情報収集の仕方などをはじめ、丁寧に説明することになっているため、これだけで必要なゴミ出しを覚えることは難しいと思います。

実習実施者の生活指導

ゴミ出しは住んでいる市町村によってルールが違うため、実習実施者の生活指導を通じて身につけさせることになります。

生活が落ち着くまでは生活指導員を中心に宿泊施設で困ったことがないかどうかを実際に確認した方がいいです。

「大丈夫か?」と質問すると「大丈夫」とオウム返しに答えが返ってきても日本語不慣れなので楽な返答をしているだけのことが多いと思います。

実際に宿泊施設を訪問したときに、ゴミが居間に積み上げれていただけではなく、生ゴミが窓から捨てられていて積み上がっていたこともありました。

ゴミ出しがうまくできていない状況があったときには、片付けを手伝い過ぎてしまうと手伝いを期待して自分たちで分別しなくなるので、カレンダーにゴミの日を書き入れさせて、分別を身につけるように覚えさせる必要があります。

生活指導員に相談

生活指導員に相談していたら、ちゃんと分別教えてもらえたのではないかと思います。

気軽に相談できる関係であればいいですね。

生活指導員の役割について別記事で説明しています

【技能実習】Q43:生活指導員の役割を教えてください
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はじめに 実習実施者は、技能実習生の生活の指導を担当する者として「生活指導員」を1名以上選任しなければならないことになっています。 でも、技能実習制度運用要領では、生活指導員が何をしなければならないかが具体的に書かれていません。 そこで、技能実習制度運用要領を補足して、...
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【技能実習】Q43:生活指導員の役割を教えてください(続き)
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【技能実習】Q43:生活指導員の役割を教えてください はじめに 実習実施者は、技能実習生の生活の指導を担当する者として「生活指導員」を1名以上選任しなければならないことになっています。 でも、技能実習制度運用要領では、生活...
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訪問指導時の確認

訪問指導とは、はじめての技能実習である第1号技能実習を行うに当たって、監理団体が作成の指導を行った技能実習計画に基づき技能実習を適正に実施することができているかを確認するとともに、技能実習計画に基づいて技能実習を適正に行われているかどうかの技能実習の進捗状況を丁寧に確認する必要があるため、監理団体に1月に1回以上の頻度で実地に確認することを求めているものです。

訪問指導時には技能実習生の生活一般状況も確認することになっているため、ゴミをため込んでいる実態を確認した場合には、監理団体等して技能実習生に事情を聴いて必要があれば実習実施者に生活指導を適切に行うように指導しなければならないことになっています。

監査時の確認

監理団体は、技能実習生が認定計画と異なる作業に従事していないか、実習実施者が出入国又は労働に関する法令に違反していないかなどの事項について、監理責任者の指揮の下で、3か月に1回以上の頻度で、実習実施者に対して適切に行うことが必要となっています。

監査の際には、原則として次のことが必要です
 ①技能実習の実施状況を実地に確認すること
 ②技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
 ③技能実習生の4分の1以上と面談すること
 ④実習実施者の事業所の設備、帳簿書類等を閲覧すること
 ⑤技能実習生の宿泊施設等の生活環境を確認すること

宿泊施設その他の生活環境の確認の際に宿泊施設の衛生状況等の生活環境が適切かどうかも確認することになっていますので、必要に応じて監理団体が指導することが求められています。

監査で指導した場合は監査報告書により外国人技能実習機構にも報告することになるので、指導の是正は確実に確認しておく必要があります。

まとめ

ゴミの分別は自分たちで行えるようにしっかり指導しましょう。宿泊施設の衛生状態によっては病気になることもあります。

不法投棄は論外です。不法投棄の罰則は厳しいですよ。

廃棄物処理法第16条では「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」とあり、不法投棄が禁止されています。違反した場合には5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はこの併科、さらに法人等に対して3億円以下の罰金となります。

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