【技能実習】Q34:「耕種農業職種」での災害防止のポイントは?

2021/07/15

Q&A 安全衛生 実習実施者

t f B! P L


 回答

農業での死亡労働災害は少ないと発表されていますが、実は労働者ではない多くの農業従事者の死亡災害が多く発生しています。

平成30年では農業・畜産・水産業を合算しての死亡労働災害で19人が亡くなっていますが、農林水産省が取りまとめてる「農作業死亡事故調査」では、農業従事者のみで274人が亡くなっています

その理由の一つとして、このような災害防止の情報が伝わっていないことがあるのではないかと思います。

技能実習生の受入れにより、多くの労働者を雇用することになった実習実施者は、災害防止についてもしっかり学び、技能実習の円満な終了を確実にしましょう。

起こっていない災害を防止するためのポイントとしては、危険な作業場所を把握し、危険度に応じて優先度を決めて対策することです。下の表に当てはめて、A→B→Cの順に対策をとっていけば、休業するような災害の確率を減らすことができます。

優先度の決め方


 
「農作業死亡事故調査」での災害が多い順に場内を点検し、以下の表に基づいて優先順位を決めます。

1 農業機械
2 熱中症
3 高所作業(高さ2m以上)
4 やけど
5 その他

耕種農業で注意すべき農業機械

○乗用型トラクター
○歩行型トラクター
○農用運搬車
○自脱型コンバイン
○動力防除機
○動力刈払機
以上の機械が特に要注意です。事故の種類は以下のとおり。

検討すべき事故の種類

○機械の転落・転倒(道から、圃場から)
○回転部等への巻き込まれ
○ひかれ
○挟まれ
○機械からの転落

災害防止のポイント

1 農業機械

・ 人と機械を分離した安全な運行経路を定める(転倒、転落、接触防止)
・ 作業範囲内立ち入り禁止を徹底する(ひかれ、接触防止)
・ トラブル発生時は機械を停止し、運転キーを抜く(挟まれ、巻き込まれ防止)
・ 農業機械の用途外使用をしない
・ 農業機械の運転席以外に人を乗せない
・ 作業資格が必要な機械は、自分の土地でも資格を取得する
・ 技能実習生に機械を使用させる場合には、しっかりと教育する
・ 従事する作業を変えるごとにしっかりと教育する
・ 危ないときの合図を統一し、しっかりと教育する

2 熱中症

1.日中の気温の高い時間帯を外して作業を行う
2.作業前・作業中の水分補給、こまめな休憩をとる
3.熱中症予防グッズを活用する
4.単独作業を避ける
5.高温多湿の環境を避る
暑さ指数(WBGT)に応じて対策すべきなので、携帯電話が使用できる環境で作業ができる場合は、農林水産省のアプリを利用しましょう。

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出典:農林水産省ホームページ MAFFアプリは、農業に携わる皆さまに役立つ情報を農林水産省から直接お届けするスマホ用アプリです。 農業者や農業関係者だけでなく、どなたでも無料※でご利用いただけます。 プロフィールとして設定いただいたお住まいの地域や作目、関心事項等に応じて、役立つ情報をお届けします。 また、現場の情報を農林水産省に直接届けることができます。 ※通信に要する費用(データ通信料等)は、利用者の負担となります。
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3 高所作業(高さ2m以上)

昔から1mは「一命とる」と言われ、注意をうながされています。
労働安全衛生規則では2m以上の高さ(深さ)での作業を高所作業として、事業者に対策を求めています。
対策としては、墜落危険箇所に手すりを設置することですが、2階から下に投げ下ろすような作業の時は手すりが邪魔になることもあります。
そんなときは、命綱を付けてから作業をしなければなりません。
建設現場だとフルハーネスの安全帯が義務となっていますが、農業の場合はそこまで高い場所はないので、胴ベルトタイプを使いましょう。ただし取り付ける場所の強度と腰より高い場所に掛けるようにするといいです。

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4 やけど

焼却中のやけどでの事故です。万が一のために消化器などをそばに置いて作業しましょう。

5 脚立、はしご

実はあまり危なく感じない、脚立、はしごを用いての作業は全業種でおきています。この二つは安定しているように見えますが、足が一本でも地面に埋まると簡単に倒れます。
脚立、はしごは誰かに支えてもらうか、倒れないように固定してから使用することが大切です。



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