【技能実習】Q25:機構が発表している実習実施者の「帳簿書類の作成・備付けの不備」の違反にはどのようなものがありますか。

2021/07/06

Q&A 運用要領

t f B! P L

 回答

実習実施者が技能実習法で定める帳簿書類を

○作成していなかった
○作成しているが記入をサボっていた
○記入していたが内容が不備だった
○技能実習を行わせる事業所に備えて置かなかった

ということがあると、外国人技能実習機構から違反と指摘されます。


機構から違反の指導文書が出されると、優良要件で多くの技能実習生を受け入れている実習実施者は、大幅減点になるんじゃないかと焦りますが、あれは「改善命令」という企業名公表されるような重大な違反の場合のことで、機構からの指導文書とは別物なので安心してください。

もし、改善方法が判らないときは、機構の担当者に尋ねると親切に教えてくれるので、心配することはありません。とっとと是正してしまいましょう。


 技能実習法の帳簿

技能実習に関係しての法定帳簿は次のとおりです

○ 技能実習生の管理簿
○ 認定計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-1号)
○ 技能実習日誌(参考様式第4-2号)


技能実習生の管理簿

次の3種類をきちんと管理していればOKです

・技能実習生の名簿

監理団体でも作成義務がありますので、受け入れする技能実習生の分の提供を受けるのが簡単です。

独自様式を作成してみましたので、よろしければお使いください


【作ってみた】【技能実習】労働者名簿 兼 技能実習生の名簿【独自様式】
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クリックしてダウンロード: 労働者名簿 兼 技能実習生の名簿  実習実施者の帳簿に、技能実習生の名簿がありますが、外国人技能実習機構ではなぜか様式を示してくれません。  JITCOの独自様式が示されていますが、小規模の実習実施者には使い勝手が悪そうだったので、独自様式を作ってみま...
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一番大切なこの台帳で管理しなければならないことは、「在留期間の満了日」です。

技能実習生本人がしっかりと意識すべき日付ですが、技能実習期間は「誰かがなんとかしてくれる」と考えて、その日付すら忘れている場合があるようです。

監理団体と実習実施者も定期的に台帳で確認し、在留期限切れが絶対に起きないようにしなければなりません

「ついうっかり」では済まされず、重い罰則がある不法就労をしたことなってしまいます。

また、定期的に帳簿で技能実習の終了日を確認して、次の技能実習の認定申請期限に遅れないようにチェックしておくことも重要です。

誰かが気づくだろうと担当者任せにしすぎると、気がついたときには手続きが間に合わなくなったということもあります。

・技能実習生の履歴書

これは最初の受け入れ時に整備するだけです。技能実習生の管理簿になっていますが、母国の住所を調べるとき以外はほとんど使うことがありません。

・技能実習生の待遇に係る記載がされた書類

これは最初の受け入れ時に整備して終わりではなく、待遇に変更があった場合は、その日から1か月以内に、機構に技能実習計画軽微変更届出書(省令様式第3号)を提出し、その都度整備する必要があります。

認定計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-1号)

技能実習責任者が技能実習を統括管理している記録になりますが、これだけでは管理している証拠にはならないなんとも言えない様式です。

外国人技能実習機構の実地検査時には必ず確認されるので、最低毎月作成していないと違反と指摘されます。

作成していたとしても、「具体的にどのように確認していますか」と訪ねられると、厳しいものがある書類です。

訪ねられたときに答えられるように、月に一度は担当者からのヒアリングはしておきましょう。

この様式の項目ごとに解説します。

1 認定計画の実施状況

(1) 技能実習計画認定通知書の保管

これは在留資格変更許可申請などに必要な重要書類ですので、所在不明とならないように、月一ぐらいは所在を実際に確認しておきましょう。

(2) 技能実習の進捗状況

ア 認定計画に従った実施
技能実習指導員から技能実習日誌の記入状況の確認と月ごとの必須業務、関連業務、周辺業務を計画月・時間数と実際の月・時間数との対比で確認したいところです。

でも、機構の参考様式での実習日誌を1日1行使って記入しているだけだと、月・時間数が全く確認できないため、どのように管理するのかを考えておく必要があります

計画には月・時間数のみ設定されていますので、日々の必須、関連、周辺を月・時間数と同じ比率としておく方法と、月シフトであらかじめ設定する方法などが楽です。
イ 入国後講習の受講
これは第1号技能実習の最初だけ記入が必要です。講習を実施した監理団体から、受講時間数の記録をもらっておきましょう。
ウ 入国後講習期間中の業務従事
これを行わせてしまうと、不法就労となってしまいます。過去の認定取消事案もありますので、技能実習指導員から安易に従事させていないかをしっかり確認しましょう。

(3) 技能、技術又は知識の修得状況

これが良好とは言えなくなった場合に、なんらかの対応をしなければなりません。そのためにはまず現状を把握することが重要です。

(4) 日本語の修得状況

これは技能実習指導員などが日常的に声かけしていれば把握できます。

(5) 労災等の事故の有無

これは技能実習生だけではなく、自社の従業員がケガしたことを知らないのは論外でしょう。

(6) 労働関係法令の遵守

労働時間、年次有給休暇、割増賃金、安全基準、衛生基準など、違反の指摘が多い部分から確認しましょう。過去の記事を参考にしてください

2 生活状況

(1) 技能実習生の生活態度
生活指導員は技能実習生の生活状況を把握することも役割になっています。生活指導員から直接から確認します。

(2) 技能実習生の健康状態

技能実習指導員と生活指導員から公私両方の状況を確認します。
健康診断結果だけではなく、日常的な様子も把握しましょう。

(3) 規律違反等の有無

□ 会社、寮等での規律違反
技能実習指導員と生活指導員から仕事中と宿泊施設のルール違反状況を確認します。

就業規則の遵守については問題ありませんが、宿泊施設内のルールについては私生活の時間帯でのことであることから、門限や飲酒、外泊、男女交際等を禁止する行為などは、私生活の自由を不当に制限してるとしてルールが技能実習法の違反となることもあることに注意が必要です。

□ 集団生活上のトラブル
技能実習指導員と生活指導員から公私両方の状況を確認します。

技能実習生プライベートでのトラブルも早期発見して対処しなければなりません。刃物を持ち出すトラブルまで発展したケースもあります。

□ 近隣とのトラブル
生活指導員や宿泊施設の町内に住んでいる者などから確認します。ゴミや騒音のトラブルが多いです。
□ その他( )
宗教関係など非常にデリケートな問題があったりします。これも私生活の自由に不当に干渉することがないように注意しましょう

技能実習日誌(参考様式第4-2)

この参考様式をそのまま使って記入していても、ほとんど使い物にならないです。

なぜかというと、技能実習計画は業務の区分ごとに月・時間数を定めています。それなのにこの様式は、計画の技能実習の内容欄の番号を記載することで区分はできていますが、

○技能実習生に従事させた業務
○技能実習生に対する指導の内容

のみの記録となっていて、時間数を記録する欄がないためです。

使い物になるかならないかは別として、技能実習日誌としては、技能実習法でも「技能実習生に従事させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌」さえ作成していれば違反とは指摘されませんので、最低限の記入は毎日しておきましょう。


 おまけ

技能実習法は、出入国在留管理庁と厚生労働省の人材開発部署が中心に成立させた法律ですので、入国して働き始めるまでのルールは細かく定められていますが、どのように教えていくか、その管理はどうするのかという部分については、両者の守備範囲外なので大雑把なままとなっています。

そのあたりは技能実習運用要領を見ても、外国人技能実習機構のホームページを見ても参考になることは何も書いていません。

そこで、こんなブログを作成しつつ、よくわからない点をまとめた本の出版を考えているわけですが、何のために作成してるのか意味がよくわからない帳簿を参考様式のまま記入し続けるよりも、ちょっとでも工夫を凝らして簡単に管理できるようにしたいところです。





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 労働災害防止、外国人技能実習、労使紛争解決援助、各種ハラスメント防止、男女雇用機会均等などのスペシャリストです。

 従業員のことを思いやる会社の力になりたいと思ってます。

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